1. 「今日の事業は赤字でない限り社長にとって大した重要性はない。大切なのは、あくまでも会社の将来の収益なのである」とは
正式に言うと今日の事業だけを大切にしないといけない社員はいない。見えている将来の時間軸の長さが違うのである。新入社員の見えている将来は1日24時間がせいぜいであろう。部長クラスは毎年の年度の予算のことで頭がいっぱいである。1年が部長の見えている将来であろう社長が責任持たないといけない期間は3年から5年の中期経営計画である中期と名しているが、実際に会社で機能している最長の期間は中期経営計画の期間5年である。ただし5年先までを考えて5年の計画発売れないのでその先例えば10年先を見て5年までの計画を立案しなければならない。
足元を見ている暇はないはずということだ。
2. PEST分析の重要性
将来を予想すること。広くとらえるというのは、自社以外のことに興味を持つということだ。やがて来る大きな変化の小さな兆しを見つけることだ。 変化は最初小さい。そして遠くで起きる。自社の中を虫眼鏡で見て回っても見つからない。経営学的分析で言えば、PEST分析である。
大きな世界の潮流の中でわずかな変化の潮目が見えてくるはずだ。これはあくまでも予想が立てられるというレベルのものだ。つまり、未来において計画を立てられるということは、挑戦できるということである。
3. 実績数字と外部要因
挑戦はギャンブルではない。我々は回るタイヤの上を歩いているのである。平坦な坂道を歩いているわけではない。タイヤの回転よりも速く歩かないと落とされてしまうような状況である。 つまり、現状維持は危険な状況である。この感覚を麻痺させるのが実は、「実績数字」なのである。企業の実績は実績であって実力ではない。
これがよく見間違う。特に営業実績など実力とは大きくかけ離れている。売り上げが上がるのは、お客さんが頑張って買ってくれたからであって頑張って売ったからではない、という極論もある。外部要因の運が左右する。だから外部環境の理解こそが大切なのである。
4. 「実力」とは
それでは、何をもって実力とみるべきなのか。昨今の考え方で言えば、最終的な総合的な実績ではなくて、「仕掛けてうまくどれだけ行ったか」ということが実力と言えるのである。
過去の習慣、過去の得意先、過去の商品、過去の人間が上げた成果は「実績」といえるが、「実力」ではない。大切なことは常に「力」と「実力」のもとでたたき出された、実績を出し続けることである。挑戦数÷成功実績数→この解こそが中心簿である
5. 結語
そのためには、社外からの情報を集める時代を予想しなければならないであろう。それに向けた目標を現業に+αで立てる。そして、実施・実行に移す。この流れが必要だ。過去の実績は感覚を麻痺させるので怖い。そこに甘えて未来を設計しないのは緩やかな消滅である。 了