1. 「市場を多角化するということは、どのような会社にとっても優れた企業構造の一つの型である」とは
この言葉から連想される現代?近代?のビジネス用語としては、アンゾフの成長戦略、リソースベイスドビュー、ポジショニングビュー、事業曲線、PPM分析の異端児などがある。一倉先生は、至極単純に考えている。「いつまでもおんなじことをするな」「新しいことを考えろ」「じっとそこにいたらそこの影響を100%」受けるのだから。そう、外部環境に影響を受すぎるのはよくないといっている。
どの企業も、S字カーブ曲線で成長しやがて頂点をむかえ、同じことをしていると自身のせい関係なく衰退に向かっていく。この現象は一見関係ないような、スクリューの回転回数とスピードにも同じことが起きる。スクリューの回転速度がMAXの無限大に到達した瞬間、船は静止する。何事もピークをむかえそうな瞬間に、次の成長曲線に飛び移らないといけない。
2. アンゾフの多角化戦略
これが具体的には「多角化」になる。アンゾフが掲げる3つある成長戦略のうちの一つがこの多角化である。同じ顧客に対して関連のある周辺の商品を販売していく拡充である。ただ、一倉先生の言う印象はもう少しアクセルを踏んでいるような気もする。基盤事業と新規事業の関係性をさほどたいして大事に思っていない節がある。
中小企業の顧客が多かったことも関係しているかもしれないが、もっと、チャレンジを促しているようだ。「同じこと」に対して執着することの危険性を説いている。通常であると、新規事業と、基盤事業の関係性からの効率論などが説かれている。しかし、そんな銀行の融資の是非を問うレベルの話ではない。企業の生き残りに対して、執着して死か、挑戦しての生存かを語っている。そもそも多くの中小企業は「一本足」打法で%る。サプライチェーンの系列会社一社売り上げシェアの70%商品は40年間とある部品一筋というケースは多い。一本足ではいつかは立ち行かなくなる。もう一つの収入源を持たないといけない。
3. PPM理論
PPM分析を思い出していただきたい。この分析のプライオリティはいろいろあるが、一つのものの見方として、「異端児」はたくさん生まれているか?が大切な指標となる。異端児は、会社の新しい挑戦的事業は必ず誕生した時は、異端児のポジションに属する。異端児は、生まれてすぐ絶対的に市場占有率が高いわけがない。また、市場の成長性の悪いものを新規事業として立ち上げるわけもない。つまり、市場成長性が高いものに対して自社が挑戦しているプロジェクトである。
4. 結語
このプロジェクトの数が将来的には次の時代の基幹産業になる。新規事業は、やりたくなった時にいきなり始められるものではない。常にその種の準備をしておく必要がある。
今から30年以上前のコンサルタント一倉先生も変化を必須科目に据えている。IT産業が登場してしまった以上今となっては地球上全ての産業が、「イノベーション」を務化しないと生き残れないのである。救世主は「異端児」である。 了
※「異端児」はPPM分析の中で使う特殊な用法である。